前回までで、
コース概要
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教材の違い
を比較しました。今回は指導方法(授業の流れ)、指導担当(講師)についてです。
早稲アカは本部の低学年専門講師か、校舎の講師が低学年を担当します(私の知る限り)。
低学年専属講師の先生は本当に低学年指導が上手で、いかにも
子どものことが好き、子どもに教えることが好き
という感じなので、
早稲アカのスーパーキッズ担当講師に教わること自体
に、ものすごく価値があると感じました(個人の印象です)。
算数担当の方も国語担当の方も教えて頂きましたが、どちらの先生も素晴らしかったです。
校舎の講師は高学年や中学部(高校受験)を教えていることもあり、低学年専門ではありません。
もちろん低学年を教えるのも上手ではあるのですが、やっぱり
高学年や中学生向けの難しいことも言ってしまってるよな
と感じることはありました。低学年専門講師は理解が遅い子もうまく拾ってくれてる気がしましたが、
校舎の講師はできる子を持ち上げて引っ張っていってしまうので、ペースが上がりました。
これが高学年なら塾の実績に直結するのでうまくいくのかもしれませんが、
低学年は
- まず勉強が楽しくなるのがいい
- 学習習慣を穏やかに身につけるのがいい
と思うので、
じっくりと学力や習慣を身につけたい場合、早稲アカの指導スタイルは厳しいかもと思いました。
普段、上の学年を教えている講師は生徒が乗ってくると次学年の問題や知識まで話したりします。
できる子、先に行きたい子には刺激的なことでしょう。しかし一方で、
今教わっていることをしっかり身につけたい
と思う子も居るはずですから、できる子に合わせられると大変です。
ではSAPIXはどうか?私の知る限り、早稲アカのように
校舎に属さない低学年指導専門講師が本部から来るという仕組み
はなさそうです。校舎の講師が高学年も教えているかは娘もわからないと言っていました。
ただ、解説動画では低学年専門(あるいは動画専門)講師が担当しているように見えます。
低学年向け指導という点では、
SAPIXの解説動画の先生は、早稲アカのスーパーキッズ専門講師のように上手!
と感じました。
子供向けにはこのペースでこうやって教えるのかぁー
と、親も参考になります。校舎の先生の指導はどうかというと、
教材と指導要領がしっかり決まっているのか、講師が違っても均質な指導内容
に見えました。そして、低学年に高学年の知識や
チラ見せ的な先取りや、できる子への知的なくすぐり
みたいなものはないようです(娘にヒアリングしていますが、一度もないです)。
また、
できる子を中心としたペースというより各自が各自のペースで進める(※後述します)
という進め方のようです。
校舎や講師で違うかもしれませんが、早稲アカでは
できる子に合わせた授業ペース
全員が同時に同じ問題に臨む(常に全員一緒のペース)
で授業が進められていました。
低学年次に国語が苦手だった息子が本文を最後まで読み切らないうちに、
国語が得意だった女王や私立小学校の男子は本文を2~3周読み終わっていた
ということもありました。最初はつらかったですね。算数は1・2を争ってたのに。
そしてその後に問題を解くとしても、
できる子は何度も本文を読んで完璧に理解した状態で答える
十分に本文を読めなかった子は、答えを聞いても何のことかピンとこない
という状況が生まれました。なぜこんなことが起きたかというと、早稲アカの授業で
できた子が先の問題に進むことは許されない
という前提があったためです。よりできる子には退屈で、クラス下位の子にはしんどい。
見方を変えれば、
できる子には確実性を
できない子には必死に食らいつく姿勢を(※できないといっても上位クラスの下位の子・・・)
それぞれ求めるための指導スタイルかもしれませんが、低学年には難しいと感じました。
またクラス構成の上下の幅が広い場合は本当に厳しいと思います。
SAPIXの場合、まずクラスの構成は
点数でクラスをきっちり分けていること
母数が多いので細かくクラスを分けられること
で、クラス内の子どもの学力の幅はある程度に抑えられるのかもしれません。
授業の進め方に関しても
できた子は挙手して講師にすぐ採点してもらい、さらに先に進んで良い
すべての子が同時に同じ問題を解かなくてもよい
全部解き終わった子も、オリジナル問題や復習課題もあるので暇にはならない
という進め方です。ある意味、一体感や熱気は早稲アカほどないと思います。
ということで早稲アカの場合は、
スーパーキッズ専門講師は、低学年向け指導で最高レベル
校舎の講師は高学年中心なので、できる子に合わせて進んでしまいがちに見える
と思います。指導力はSAPIXも早稲アカも大きく差があるとは感じませんでしたが、
早稲アカの先生方の方が個性が前面に出ている気がしました。
SAPIXは均質な指導を各先生が行うような方針?なのかもしれません。
あと各塾の特徴を表しているかもしれないことを一つ(校舎によって全然違うかもしれませんが)。
早稲アカでは
できる子に合わせたペースで、できる子をみんなの前でほめる
時には順位だけでなく点数や特待かどうかもわかってしまう
※順位は掲示されることもありますが、点数や特待資格まで明らかになるのはよくない
という部分があります。これにより
できる子とできない子のミゾ(授業進度や問題難易度に関して)が生まれる
できる子同士でも過当競争が生まれる
というリスクがあります。
SAPIXでもメダルの子や表彰状を獲る子など、できる子はもちろんいますが講師は
”自分はできる”と思って点数を言ったり、自慢する子はダメ!
油断する子は後でクラス落ちして後悔するよ!
自分の成績や他人の成績をあれこれ言う子は出ていってもらいますよ!
と強く釘を刺すそうです。そういう生徒が居たら注意をする、のではなくて常にだそうです。
低学年から”必要以上に”競争を意識させる
低学年は勉強を楽しく続けることに主眼を置く
のどちらが良いかは、子どもの性格や家庭の方針で違うと思います。
実際その辺の方針の違いは保護者の様子にも表れてきます。
次回は塾の直接比較ではありませんが、塾の方針によってクラスの雰囲気や保護者の空気が
どんな風に違ったかなど、あくまでサンプル1ではありますが書いてみたいと思います。