ちょっと不思議な記事を見かけました。
中学受験をしないなら、数学の先取りで高校受験に挑もう
だそうです😵
でも記事の内容では数学先取りのロードマップがあって、
中学3年間で高校数学2年分まで進めよう
と描かれているのです。
ちょっと待って、高校受験の問題は中学算数から出題されるんじゃないの?
そもそも小学校で中学数学を先取りしておいて・・・というロードマップでした。
実は記事は間違ったことを書いているわけではないのです。
あえて中学受験をしなかった上位層の子ども
の話になっていました。
それならワカル・・・そりゃそうでしょうよ!
そういう子のことを、そもそも地頭がいいとか言うわけですから、参考になりにくいです。
私の個人的印象としてこの記事のバランスが良くないと感じたのは、
受験の先を見据えた実業の世界でグローバル人材には数学が必要みたいな話と、
中学受験の算数に費やす学習時間を高校受験の数学に充てた方が良いという話が混ざり、
何のために数学を学ぶべきなのかがハッキリしない
というところです。
もし中学以降の受験、つまり高校・大学を考えて先取りをするのであれば、
私は英語を取り上げたいと思います。
文系でも理系でも主要科目になっていて、社会に出てからも役立つ英語。
その中でも、小学生~中学生でボキャブラリを増やしておくことができれば、
英語でつまずく時間、学習に費やす時間を減らすことができます。
中学以降で受験に有利なポジションに立ちたいならば、数学より英語の方が良いと思います。
とはいっても、英会話スクールのような英語や、某塾のキャラクター英語、
某通信大手のキャラクター英語のような、英語技能を磨く学習をする必要はなく、
アルファベットの読み方、それを組み合わせた発音(フォニックス)、単語
の3点を少しずつやっておけば良いと思います。
英語は知っている単語を増やしていくと、
言語の規則性
みたいなものに気づくことがあります。薄く長く単語の勉強を続けていくと
英語センスが少しずつ育ってくるので、英語への抵抗が減ります。
中高6年間で英語に費やす勉強時間というのは、非常に長いと思います。
この時間を少しでも減らすことができるなら、他の教科の学習時間が捻出できます。
高校・大学受験で有利だと思う
というのは、単に英語で勝負をすべきだと言っているのではなくて、
主要科目で時間もかかる英語の負担を軽くすると、全体的な負担が減る
と思っているのです。
なので
もし本当に先取りするなら英語じゃないかなぁ
とは思うのですが、うちではやりません。そもそも中学受験をすると決めていますし。
中学受験で学習習慣が身についた子どもなら、中学での英語学習もコツコツできるので、
英語は中高一貫校に入ってからで大丈夫と思っています(そもそも高校受験もないのだし)。
ということで、
小学校で中学数学、中学で高校数学を先取りできる子は何でもできる子
高校受験や、特に大学受験を見据えて先取りするなら数学より英語
中学受験をするなら数学も英語も先取りはいらない
と思います。
ケースA:他にやることがないくらい優秀だから先に進みたい
という先取りなら良いと思いますが、
ケースB:テストや受験で有利になりたいから、人が取り組む前に先取りしておこう
というのであれば、さほど効果はないと思っています。
数学の先取りの記事はケースAに近い話に感じました。
ケースBで考えるならば、
貯金としての蓄積が活かしやすい英語という主要科目の方が効果はあるかも~
でした。
英語みたいに「一生つきまとうもの」であれば、先取り貯金は長期的にも有効です。
でも件の記事はちょっと違うかな。ブルーオーシャンってマーケティング戦略なんですよね。
私の書棚にも1冊入っています。勉強もしました。
何かを加えたり、あるいは減じたりして、競争のない市場を創造するという戦略ですが、
誰も挑んでない数学の先取りという分野で優位に立ち、受験競争を勝ち抜こう!
というのは、ブルーオーシャン戦略の誤用に感じます。
むしろ
中学受験市場は飽和している(子どもも減っていく)
英語教育も大手は居るし乱立している
教育産業としてはいずれもレッドオーシャンだから、
数学の先取りという新たな価値を創造しよう(つまり売る側の戦略)
と言っているのであれば、使い方は正しいと思います。
ブルーオーシャン戦略はそこに本当に価値が生まれなければ、ただの思いつきです。
果たして数学の先取りに市場価値はあるのかどうか。今後の成り行きが楽しみですね👋