一人目(2021年)の経験と現在進行中の取り組みを中心に記事を書いています

少しでも、誰かに役立つ内容や共感できる話になれば嬉しいです(一人目の時は初めてで大変でした)

すべての中学受験(親子)を応援します!

読解力の記事の落とし穴(今回の記事は個人的に重要)

中学受験の保護者は情報収集に忙しいと思います。

私もそのうちの一人ですが、読解力のことで悩む保護者は少なくないはずです。

なので、プレジデント社の記事をきっかけに、読解力について私もいっぱい考えました。

 

ネットには玉石混交の情報があふれていますが、私の零細ブログなどと比べたら

大手メディアの記事は信用されやすい

と思います。ただ、やはりブームに乗った記事、表層的な記事、提灯記事が多いというか、

中学受験ビジネス市場を盛り上げようとしてる?

と思わされる記事もあると思います。そういうものはミスリーディングにつながるよな、と🤔

 

今回はプレジデント社の記事で、かの有名な西村則康氏が寄稿していたのですが、

これこそ丁寧さが必要なんじゃないか?

と思う内容だったので、ブログで取り上げてみました。

president.jp

まずタイトルがすごいです。

「低学年から塾通いの子ほど5年生以降で成績が急降下する」

それが正しいかどうかの統計データなどは掲載されていません。言い切ってますからね。

「急降下リスクがある」でも「急降下にご注意を」でもなく🤣すごいと思います。

それくらい

読解力が大切なんだよ!!

と力説したいのかもしれませんが、

これは保護者の不安を煽り、中学受験の過熱化に一役買っている

と思えてしまいます。

 

さらにすごいのは、

本文を丁寧に読んでみたが、

「低学年(1~2年生、せいぜい1~3年生)から塾通いしている生徒」

が出てこない

という衝撃の事実😮

タイトルに沿った記事であるならば、

低学年から通塾している数名の事例

成績が急降下したというならば、各生徒の低学年・高学年の成績(教科・偏差値等)

「低学年から通塾することで5年生以降の成績が急降下する」のか、

「低学年から通塾することで5年生以降の学力が低下する」のか、といった見解

について言及してほしいところです。

成績は周りが上がって自分が上がらなければ相対的に下がりますが(外的要因)、

学力が下がるのであれば「間違った勉強をしていた」こと(内的要因)になるので、

低学年の通塾による何らかの実害があるのか?をハッキリさせるべきですが・・・何もない😩

 

で、タイトル後半は

読解力の伸ばし方

ですので、こちらがメインの内容となっています。

「低学年から塾通いの子ほど5年生以降で成績が急降下する」

は、私としては釣りタイトルの印象です。西村氏でなくプレジデント社の編集者が決めたのかな🤔

 

肝心の記事ですが、紙面が限られているせいか、

西村氏が言いたいことがすべて書ききれていないのではないか?

または

読解力が重要なのは誰もが思うこと(読者を獲得しやすいこと)だけど

肝心の「伸ばし方」はずいぶんと薄っぺらくないか?

と思いました。

読解力の伸ばし方に該当する箇所は一か所だけです(私の読解力不足だったらごめんなさい)。

記事の2ページ目にある

「今、何が分かっているの?」
「この問題は何を聞かれているの?」
「あと何が分かれば答えが出そう?」
そうやって、大人が問いかけをしてあげることで、丁寧に読む癖がついていく。

の部分です。上の子を振り返っても下の子を考えても、うまくできない時に声掛けをしても

わからない😡やりたくない😡

となって親子バトルになることの方が多い気がします。

親子でなく講師やカテキョが言うならば、子どもも素直に聞けるのかもしれませんが😏

しかも記事の、同じ2ページ目の後半には衝撃的な文章が書かれています(こっちが真実?)

ただ、それ以前に問題なのが、そもそも言葉を知らない子が多いことだ。

中学受験の指導に携わるようになって40年以上経つが、

特に最近の子はその傾向が見られ危惧している。

 

😱😱😱・・・オイっ✋

 

もし子どもが言葉を知らないならば、そもそも文章が読めません。

そのような前提があったら

「今、何がわかっているの?」→「わからない言葉がたくさんある」

「この問題は何を聞かれているの?」→「わからないってことしかわからない」

「あと何がわかれば答えが出そう?」→「何が正解なのかわからない」

となるでしょう。言葉を知らないということは

見知らぬ土地に行って、現地の言葉で質問されている

のと同じです。海外旅行の入国審査で知らない単語が出てきたら困るでしょう。

たとえばアメリカのスーパーで会計を済ませると

ドネーション?

と聞かれることがあります。あるいはお酒を買おうとすると

アイディー?

と聞かれることがあります。もしその単語や表現を知らなかったら、YesかNoか答えられません。

さらに言葉の意味を教えてもらおうとしたら、もっとわからなくなるでしょう。

最後は賭けに出て直感で選ぶかもしれません。あるいは諦める=テストなら空欄、です。

 

国語の読解力においては、

言葉・語彙を知らないことは致命傷になる

と思います。ですから西村氏の記事で読解力の伸ばし方に触れるなら、2ページ後半にある

言葉を知らない子どもたちの問題

(3ページに出てくる)「活字に慣れること」の重要性

を掘り下げることの方が大切だと思います。西村氏の記事の流れもそうなっているのですから。

(そう考えると、タイトルは「長文化に対抗する読解力には、活字への慣れと言葉が重要だ」

 とかの方が良いですし、低学年で言葉を大切にしていないと高学年で危ない、の方が

 記事全体として良い構成になると思います)

 

国語力の土台が言葉であることには私も賛同します。私も過去に何度か触れました。

girl.chugakujuken-challenge.work

girl.chugakujuken-challenge.work

最近、語彙力ブームなのか言葉に関する多くの良書を見かけますが、

生きた語彙力は、使ってナンボ

という気もしますので、良書を買うだけでなく

語彙を使う場面をこしらえる

までが、親の仕事・腕の見せ所かもしれないなぁ🤔と思います。

 

さて件のプレジデント記事ですが、

私はこのプレジデントの記事が多くの中受保護者の目に触れたと考えた場合、

「丁寧に読む」が間違って伝わる気がします。

それを言いたいがためのこの記事です(前置き長っ!)😅

 

「丁寧に読む」というと「丁寧にゆっくりと読みなさい!」

って言ってしまいそうな気がしませんか?

ところが過去問だけでなく各種模試でも、

ゆっくりなんて読んでいたら、本文読み終わる頃に試験も終わってしまう

のが実際です。「丁寧に読む」は、私の経験でも娘を見ていても、シンプルに

言葉を正確に読む

に尽きます。言葉を正確に読めないからロスト(読解中の迷子状態)になるのだと思います。

言葉がスッスッと頭に入ってくるならば、読むスピードは自然と上がります。

言葉を正確に知っていれば、そもそもの読解精度が上がります。

丁寧の反対が粗雑みたいな意味だとするならば、雑に読むというのは

言葉をいい加減に読む

と言い換えられます。

ゆっくり読んだところで言葉にこだわってなければ丁寧でない

速く読んでいたとしても言葉を正確に捉えていれば丁寧に読むことができる

そう考えるなら、子どもに教えるべきは「言葉の大切さ」ではないかと思います。

やはり「読書→言葉が身につく」は逆ですね。「文字に親しむ→読書したくなる」ですね。

文字に親しむ前に(いやむしろ文字に親しませようとして)本を読ませようとすると、

ますます国語嫌いや本嫌いにさせる・・・

論理的なひとつの仮説を、ここに見た気がします🧐

 

言葉を熟知していれば途中で詰まらないので、速く読めるようになります。

言葉は脳のディクショナリに格納されているので、

正確に言葉を保管している

保管場所が本人好みのカテゴライズやラベリングによって、整頓されている

外からの刺激(視覚言語や聴覚言語)に触れたら、瞬時にディクショナリから引き出せる

という状態を作れれば、10000字の長文を臆することなく読むことができます。

国語を苦としない子は、間違いなく文字が苦手と思っていません。

やがて言葉には情景や実像が加わり、連想力も強化されます。

国語において、低学年やそれこそ未就学児からできるのは、

言葉への関心を高めること

だと思います(先取りで漢字や熟語に取り組むのではなく、言葉を正確に覚えること、です)。

 

小説でもマンガでも、言葉をたくさん深く正確に理解している子は、ストーリーがすぐに入ります。

言葉を知らない子ほど、想像力で埋めようとするため独自解釈の入る余地が増えます。

上の子が国語を苦手としていた際、知らない単語はすべて独自の解釈や、

前後の流れから適当に考えたことが(しかも読み方がわからないことも)ありました。

 

圧倒的な語彙力は、それだけで読解力を与えてくれます。

語彙量+脳の円滑な引き出し開閉システムこそが、読解力の土台です。

また、文字嫌いは言葉から遠ざかりたがります。

言葉から遠ざかれば限られた語彙で生き残ろうとするでしょう。

そうすると自分が知っている範囲の言葉を拡大解釈して補うことになるため、

言葉に本来と異なる独自解釈をどんどん加えていってしまう

ということになります。恐らく、中高一貫校の国語の先生が一番欲しがらない生徒な気がします。

言葉への関心が薄いということは、他者とのコミュニケーションでも

相手の言葉に気づかない(そもそもわからないことも)

とか

自分の言いたいことを適切な言葉に、あるいは適切な強さで表現できない

といったことが起こります。

ですので、中学受験の国語の問題はそのような生徒が合格しないようにできており、

ちゃんと入試科目として成り立つようになっているなぁ

と思います。

文字での言葉を知らない子は、時間内に合格点を稼ぐことはできない

これに尽きます。

難関校になるほど、漢字テストや語彙力単体の問題を出す必要がありません。

そういう力を試せるテーマの作品さえ見つけてくれば、総合的な国語力が問えるのですから。

 

娘は今のところ言葉への関心が高いので、それを大事にしたいと思っていますが、

同時に継続して脳の言語野を刺激する方法を探そうと思っています。

 

私は脳科学研究者ではないので単なる個人的感想の域を出ませんが、

長文読解を自然に行うためには、脳のいくつかの部位が十分機能する必要がありそうです。

(脳の概要)

minds.jcqhc.or.jp

言葉に関しては

  • 文字としての入力(視覚的言語)
  • 音としての入力(聴覚的言語)
  • 発語としての出力

で脳の違う部位が使われるそうです。

www.keijinkai.com

「音」の言葉と「文字」の言葉では脳の働く場所が違う※頑張って全部読みました↓😭)

http://bearhous.web.fc2.com/Symposium/NHK/Brain/4th.htm

(こちらも面白かった)

logmi.jp

脳の情報伝達に関しては軸索の太さが関わっているといいます。

ということは、言語野内外が太い軸索で結ばれていれば、

高速で円滑な引き出し開閉ができる

ような気がします。同じ刺激の反復により軸索は太くなるはずなので、

読んで書いて、そして聞いて発してを繰り返して、言語野は強化されると思います。

あとは言葉の意味づけ(引き出し拡張)には角回への刺激を考えればいいのかな・・・🤔

 

算数的な脳への刺激にはずっとシンクシンクやパズル道場を続けていますが、

国語に関しても何か楽しいものを探してみようと思います。

(世の中にはそういう考えを取り入れている塾もあるようです)

ed-polaris.net

(あるいは英語上達法。言語という意味なら国語でも同じかな?)

www.cnn.co.jp

 

低学年からの通塾が成績降下につながる←データもなく因果も不明

丁寧に読むことが読解力向上←語彙がなければそもそも読めない=だから雑になる

ということで、自然と語彙力が高まるような楽しいものを、探してみようと思います👋

意味・使いどころまでを含めて「知識と呼べる言葉」なんですよね。

単に読めるだけではダメで・・・そこが難しいです😓