中学受験国語では、
本文の鉄板方程式
みたいなものが存在します。
低学年の頃から、塾では
物語はだいたい、スマイルカーブみたいになっている
とか教わったりします。こんな感じ↓
物語には変化点があり、その前後で登場人物の心に変化が生じる
ということです。スマイルカーブは気持ちの変化です。
落ち込むようなことがあったんだけど、変化点によって成長につながった
みたいなストーリーが題材になると教わります。
主人公の気持ちは最初こうだったけど、最後はこうなったよーってわかりますかー?
と聞かれますが、誰でも答えられそうなやさしい内容になっています。そして
主人公の気持ちが変わったことはわかりましたね?
じゃー、何でそういう気持ちになったのかなー?
と、絶妙に誘導されていきます😊
物語の内容について話し合ったりするのではなく、物語の展開に着目すること
に低学年のうちからフォーカスします。本文の構造を見抜く訓練です。
主人公の気持ちの変化につながった出来事や事件を拾い上げたら、次は
どんな気持ちからどんな気持ちに変わったのかなー?
と、具体的に
寂しかったけど嬉しく(楽しく)なった気持ちー
とか
恥ずかしかったけど、素直になりたいと思った気持ちー
という風に、少しでも具体的に、かつ「気持ちを表す語句」を入れるよう教わります。
その次は
じゃー最後、主人公はどういうことをしたかなー?どういう風になったかなー?
と聞かれるのですが、ここでは言動、行動、態様を求められます。
笑顔になる
何かをする・してあげる・何かを話す
といったことを本文から拾い上げます。したがって国語解答のフレームワークは
気持ちの変化を中心に、何がきっかけだったか、どんな行動(態様)になったか
を簡単にまとめることになります。きっかけ→気持ち→行動の順です。
題材文ではこのうちのどれかがわかりづらくなっていたり、隠されたりしています。
たとえば「恥ずかしい」は「顔を赤らめた(はにかんだ)」で隠されていて、
表現から気持ちを導いたりします。語彙がないと気持ちにつながりません。
顔が赤くなる=怒る・酔っぱらうしか知らないと、どうしても話が見えなくなります。
行動だったら「急に怒り出して行ってしまった」など、照れ隠しの行動で表されたりします。
難しいですよね~。この辺の裏腹的な気持ちは、男にはしんどい😅
共感に頼らず知識として蓄えていくしかない。
低学年といえども、
読解の問題は既に語彙をある程度知っている前提
で、読み解き方が教えられます。つまり
語彙がなければ講師の解説が入ってこない(ピントこない)
のです。
同様にして、きっかけがわかりづらくなっていたり、行動が比喩に変えられていたりします。
目の前の美しい景色が、主人公が清々しい気持ちになって前を向いたことを表してたりとか。
本文の最後が何で情景描写で終わっているんだろう?🤔って(子どもは)なりますよね😅
きっかけ・気持ちを拾って、暗喩になっている主人公の行動を見つけなさいよ、と(by 出題者)。
それが記述問題や選択問題になっています。
「傍線部について、なぜそう思ったのですか?」→きっかけを問う
「どんな気持ちになりましたか?」→気持ちを問う
そして記述解答フォーマットは
きっかけ・気持ち(結果)とその理由(原因)をセットにして書く
と教わります。どこから見つけたかをちゃんと入れなさい、ということです。
結果だけだと部分点(30%~50%)になります。
ほかに、変化の前後をつなぐ接続詞を選ばせたり、
気持ちを表す言葉を4文字で本文から抜き出しなさい(例:やきもち、など)
といった問題が出たりします。しかしすべては
物語の変化を追いかけて、きっかけ・気持ち・行動を把握すること
につながっています。
受験国語は言葉と構成の分析です。出題者は物語をひも解いてほしい、と思っています。
入試本番の読解問題は、入学後の授業そのものだと思います。
塾の低学年向け読解問題には、シンプルな題材が使われています。
このフレームワークを身につけたあと、語彙を増やして比喩に親しんだり、
2~3年生に詩で比喩表現を覚えて、その解読から物語に起こし直してみたりなど、
ミクロ(言葉)からマクロ(物語)まで網羅できる国語力が完成していきます。
その始まりとなる低学年国語は大人にとっても面白い内容で、私は割りと好きです🤗