低学年でもテストがあれば偏差値が表示されます。
今の時期(12月)ともなれば、6年生は模試も最後です。
6年生の偏差値は、志望校選定に影響を与えたりします。そのため高学年であるほど
模試での偏差値を上げよう!
という話が真剣に語られるのだと思います。
しかし大人ならわかるはずの話ですが、
中間や期末の成績が良ければ(偏差値が高ければ)難関大学に合格するのか?
と問われたら、多くの人が
そうじゃない✋(そうとはいえない)
と答えると思います。高校受験や大学受験に挑んだ頃を思い出せば、
確かに中間・期末で常に上位をキープできる子は優秀だったり、難関大学に進学すると思います。
そのような子のテストでの偏差値は高いのですが、
それはテストの結果偏差値であって、志望校合格の約束手形でないこと
は、明らかだと思います。
なので中学受験も、
今度の模試で、あと偏差値がいくつ上がれば!
偏差値を何とかして上げよう!
というのは、親が安心したいためという意味合いの方が強く、
それこそ偏差値が3くらい変動したところで、
学力が身についていなければ、偏差値はいつ上がっても下がってもおかしくないもの
だと思います。
私がいうと説得力がないかもしれないので、中学受験界隈で有名な西村先生の記事を紹介します。
※肝心の内容は3ページ目なので、DIAMONDオンラインの会員登録が必要です。
面白いことが書かれています(会員記事なので、表現は変えておきます)。
模試の成績を上げることは最重要ではない。
だってSAPIX中学や四谷大塚中学を受験するわけではないのだから。
6年生になると偏差値だけではわからない要素が増えてくるのに、
志望校は模試の偏差値を中心に考えられてしまう。
これは大きな矛盾だと思います。
偏差値とは何なのか。
中高の学校名はそもそも学歴にならないので、大学受験とは根本が異なるのに、
学歴社会を根拠とする大学受験競争のノウハウを、中学受験に当てはめている。
本当はそれぞれ特色ある中高一貫校なのに、大学のように偏差値でランク付けする。
中高一貫校を、大学受験向けの進学塾のようにして、中学受験でも大学受験でも稼ぐ。
誰かの陰謀とかではなく、ある意味、日本文化の一面なのかもしれません。
受験で合格を勝ち取るために必要なのは、偏差値ではなく学力です。
なので6年生に近づくほど、相対的な数値に過ぎない偏差値(結果数値)よりも、
正答率N%の問題を正答できたか?
を見ることが重要だと思います。
(総得点から算出される)偏差値としてのボリュームゾーンでなく、
問題ごとの正答率に対して子どもがどのボリュームゾーンに居るか?
これは科目や単元における、受験生の中での学力定着度を表していると思います。
だからこそ、このままでよいのか、急いで重点的に振り返るべきなのかを考えられます。
凸凹のある学力だったら、全体でならした偏差値がいくつか?には意味がないのでは
と、私は思います。
偏差値は届いていたけど、過去問の傾向を見たら学力との相性が悪かった
こういうことに直結しかねない、という意味です。
どの難易度の問題まで解ける学力になっているか?
これは教科ごとに異なるものです。
算数は応用まで解けるけど国語は基礎が足りないなら、国語は基礎を優先するでしょう。
そうしないと、算数の難問で稼いだ8点も、国語で簡単にチャラになったりします。
2月1日までに上げるのは偏差値でなく学力であってほしいと思います。
その結果として偏差値が上がるのだと思います。
6年生は12月ともなれば、最後の模試偏差値を見て嘆くことがあるかもしれません。
しかし学力は本当に最後まで上がると思います。学力が上がれば・安定すれば、
過去問での得点が伸びたりします。そしてそれこそが、合格に近づく力です。
偏差値が上がったところで、模試の結果で入学させてくれる学校はないと思います。
一般模試や学校別模試の偏差値よりも、問題ごとの正答率と学力強化のポイントに目を向ければ、
2~3か月でも学力は伸び、それが1点、2点につながります。
1点違えば順位は大きく変わります。取り組むべき教科と単元を正確に分析して、
最後まで得点力を上げましょう!
※志望校で迷ったら、偏差値で決めるより過去問を解いて考えた方が良いと思います。
以前も紹介しましたが、買わなくても四谷大塚のデータベースに問題はありますし、
合格最低点などの情報は、学校ホームページか声の教育社の過去問で確認可能です。