来週から11月になります。毎年思うのですが、このくらいの頃になると
今くらいの偏差値が実力
男子は最後に伸びるから偏差値通りにはいかない
といった、偏差値に振り回されることがあると思います。
しかし最近の中学受験の過熱ぶりや、偏差値操作に近い受験日設定や業界の煽りは、
もはや偏差値が単なるランキングになっていて、学校選びに役立ってないのでは🤔
と思うような状況に見えます。
以前の記事にも書きましたが、偏差値は母集団が違うと意味が変わってきます。
girl.chugakujuken-challenge.work
一人目の中学受験を経験した親心としては、
他に立ち位置を測る術がなければ、何をもって大丈夫か問題かを判断できない
という心理がよく理解できます。しかし、
子どもを偏差値の高低で努力したか・していないか
と考えるのは、非常に危険だと思います。少なくとも、塾に行き、テストを受け、
中学受験生活を続けていること自体が、とても尊いものだと私は思います。
中学受験の結果はたいていが偏差値通りになりますが、その”結果偏差値”が期待より低いことを
親が嘆くのは良くありません。中学受験は
(たとえ多少穴があったとしても)最後までやり切ったことがすごい
と思います。なので、
偏差値は学校や子どもをランク付けするものではない
という仮説を一つ書いておこうと思いました。
中学受験が異質な世界であることを、中学受験に挑む保護者は考えていいと思います。
文科省のデータには、小学生の人口推計データがあります。
統計の性質上、最新データは後から出てくるものですが、2023年度の6年生の数値は
文科省データの令和三年度版の小学3年生から推計できると思います。
したがって現在は約104万人の小学6年生が居ると考えられます。
首都圏の中学受験者数は約52600人、関西で約17000人と言われているので、
少なく見積もっても全国で80000人くらい居ると仮定します。
これは小学6年生の約7.7%です。
ちなみに正規分布における7.7%は偏差値64以上です。
ありえませんが、もし中学受験に挑む小学6年生が全体の上位7.7%なら、
たとえ最下位であっても小学6年生全体では、偏差値64以上である
ということになります。
これは極端な例ですが、仮に7.7%の小学生が上位40%から集められていたとしたら、
最下位(偏差値20~25)であっても小学生全体では偏差値53相当になります。
平均以上の小学6年生が、劣等生のように扱われる
こういうことが起こる、ということです。
偏差値40は下位16%くらいですから、
80000人(それも全員が同時に受けたテストで算出した場合)の中で67200位
ということになります。これなら、先ほどのように小学6年生の上位40%を母集団としても、
小学6年生全体では偏差値55程度には入るだろう
ということになります。完全に平均以上です。落ちこぼれからは完全に程遠いです。
したがって四谷大塚の合不合テストなどは、比較的上位集団が受けていると考えられますし、
SAPIXオープンならもう少し上位集団、ましてや早稲アカのNNオープンやSAPIXの学校別なら、
もはや偏差値が意味をなさなくなってくる
というのが理解できると思います。ちなみにこのような条件・状況になってきた場合は、
偏差値を見てもあまり意味がありません(でした)。
偏差値以外の何を見るべきか?については、別の記事でまとめたいと思います。
さて偏差値の取り扱いに注意が必要な話ですが、
偏差値を正確な物差しだと思って学校を選んだり、
偏差値の上下だけを見て子どもの努力を無視するようなことがあれば、
中学受験とは一体何だったのか?ただ苦しい思いを親子で味わっただけなのか?
ということになりかねません。
学校選びなら偏差値より重視すべきことがあるという記事は、以前書きました。
girl.chugakujuken-challenge.work
そして、今日書きたかったのは、
模試の結果を見る際に、偏差値の上下に振り回されるのは危険です
ということです。
※子どもの試験の偏差値や得点率の細かい見方は、記事にする予定で少しずつ整理しています。
上の子のデータももう一度振り返らなければならないので、少し時間がかかっています。
最近は中学受験も佳境に入ってきて、ネット記事でも
家庭教師や個別指導を考える前に、答案を見て弱点の洗い出しを
みたいな話題が出たりしています。ですが「弱点の洗い出し=できが悪い」という暗示になっていて、
結局は業界が潤うために、カテキョ、個別、参考書を斡旋してるのではないか?
と思うこともあります。
答案の見直しは、弱点の洗い出しの前にぜひ
伸びた部分を見つけるために使ってほしい
と、私は思います。夏休み前くらいから、ほとんどの6年生は本気で頑張っているはずです。
見た目にはそう見えなくても、大人より逃げ場がない分、子どもは頑張っています。
偏差値が上がらないのは、周りも頑張っているからです。
そのような結果に振り回されるのではなくて、
頑張って伸びた部分を見つける
→やればまだ伸びることを伝える
→正答率の高い問題+得意単元をしっかり固める
→最後の最後まで努力ができるメンタルを支えてあげる
という好循環を生むために、模試の結果を真剣に分析してほしいと思います。
反抗しても、宿題をさぼることがあっても(たいていはキャパオーバーしてます)、
中学受験を続けている間は頑張っている証拠と思って良いと思います。
よーく探せば努力の結果が見られる部分はありますので、見つけるのは親の任務です😅
これから苦しい時期が続くと思いますが、
偏差値よりも、頑張ったところを親子で同時に振り返り、心をつなぐこと
これが、ここからの山を乗り越えるために役立つ時が来ます。
上の子の受験を思い出して、少し目頭が熱くなりました🥺すべての6年生を応援したいです👍