先日ヨーロッパ方面の人に
おめでとう!PISAで日本が1位になってたね!
と言われました。いつも中国やシンガポールが1位の印象を持っていたので、
え?何かの間違いじゃない?日本はそんな位置じゃないと思ったけど、
あとでチェックしておくよ
と答えました。
見てみたら(https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html)
OECD加盟国内の順位
でした。そうだよね、参加81か国だったら中国やシンガポールが入るもんね、と。
中学受験に現在進行形で取り組んでいたとしても、日常的に外国人と仕事をしていても、
世界の中での日本の学力水準
を気にしていなかった私としては、外国人がPISAに関心を持っていることが新鮮でした。
よくよく聞いてみると彼らが言いたかったことは
その国の教育水準
のようでした。国際的に活躍する人材とか国際化とかの話ではなくて、
一般的にその国で享受できる教育水準が重要である
ということです。
一般的な教育水準が高いということは(私のイメージに過ぎませんが)、
法治国家として成立している(野蛮でない)
識字率が高く情報伝達が行いやすい
と考えられます。国として成熟しているということです。
日本は古くから内需主導型経済の国でしたが、最近は
一部企業や一部人材のグローバル化と、均質サービスの提供による内需の安定
がハッキリしてきた感があります。
国内の安定、均質なサービス(公共、民営を問わず)を維持するためには、
一定の教育水準を保つ必要があります(言葉が通じる、計算ができる、倫理道徳の共有)。
世界各国の本当の治安の悪さ、教育の行き届かなさなどを知らなければ、
日本がいかに高い教育水準を保っているかはわからないと思います。
高い教育水準というと、エリート教育や中学受験を思い浮かべるかもしれませんが、
ほぼ無償で読み書き計算の教育を、誰でも受けられる
年齢に応じて必要な学力を、国が個人に求めてくれる(お尻を叩いてくれる)
ということは、世界ではとても珍しい部類に入ることだと思います。
そのような意味では日本の教育政策は苦心されていると思いますが、
教職員の待遇改善、地域ごとの疎密差、施設の改善など、実行部分には課題があります。
国の教育の在り方(教育格差のことではなく、公教育の水準)に、改めて関心がわきました。