塾や家庭教師などのプロがどんなノウハウを持っているのかは考えが及びませんが、
中学受験2周目の親として、確かな学力向上のための対策を考えています。
まず正答率の何%まで正解したか?を段階に区切って、偏差値・順位をシミュレーションします。
これを科目ごとに考えます。
偏差値を求めるためには、平均点、得点、標準偏差が必要です。
標準偏差は平均点、得点、偏差値から求められるので、各テストでの自分の成績を使い、
インターネットの偏差値計算サイトなどを使って標準偏差を出します。
算数で得点45、偏差値43、平均点56
のテストがあった場合、
標準偏差は15.7
として求められます。
これで標準偏差がわかるので、得点がいくつだったら偏差値いくつか?が出せます。たとえば
得点が50なら、偏差値は46.2、全体の下位34%くらい(1000人中660位)
得点が60なら、偏差値は52.5、全体の上位40%くらい(1000人中400位)
得点が70なら、偏差値は58.9、全体の上位19%くらい(1000人中190位)
得点が80なら、偏差値は65.3、全体の下位6.5%くらい(1000人中65位)
得点が90なら、偏差値は71.7、全体の下位1.5%くらい(1000人中15位)
です(例であげた標準偏差と平均点の場合、かつ標準的な正規分布の場合)。
偏差値と上位・下位の人数割合は「偏差値、分布、割合」などで検索できます。
これを問題ごとの正答率と照らし合わせて以下のようになったと仮定します。
正答率50%までをおおむね正解していたら得点50、偏差値46.2、全体の下位34%くらい
正答率40%までをおおむね正解していたら得点60、偏差値52.5、全体の上位40%くらい
正答率20%までをおおむね正解していたら得点70、偏差値58.9、全体の上位19%くらい
正答率5%までをおおむね正解していたら得点80、偏差値65.3、全体の上位6.5%くらい
正答率1%までをおおむね正解していたら得点90、偏差値71.7、全体の上位1.5%くらい
また、その試験の受験層(母数)の構成も考慮します。
(1)難関校模試・学校別オープンの場合
既に母集団の学力が高くなっているはずです。志望校を考えたらその中で上位何名に入るか?
でそのまま合否が決まってしまうため、今の学力と得手不得手、志望校の出題傾向から
今後の得点力を推定します。全体で正答率の低い問題が自分の得意分野で、しかも頻出傾向にあれば、
合格の可能性はあると考えられます。ただし4教科すべてで同様の推定を行うことと、
最終判断はあくまでも過去問を実際に数回解いてみて、
確かに頻出傾向の問題は取れているし、重点的に取り組んで得点を伸ばせる分野があるかどうか
にかかってくると思います。最終判断は併願校選びにも関係するので重要です。
6年生になれば学校別オープンも増え、単元もほぼ終わるので学力と志望校の関係、
もしかしたら自分と相性が良い「志望校と同じ難易度の別の(真の)志望校」を見つけることも
考え始める時が来ます。憧れの学校が求める生徒像に合わない場合は、問題を解く楽しさよりも
苦しさが勝ってくることもあると思います。
(2)オープンテスト、合不合判定、合格力判定などの一般模試の場合
学力の習熟度を測ることになります。その場合でも、YTのSコースか、首都圏模試か、
全国統一小学生テストなのか、によって見方は変わります。母集団が違うからです。
母集団が違えば正答率も変わってきます。ただし最終的に難関校を目指すのであれば、
その中で上位何%に入るか?正答率の低い問題や、初見殺しのような問題に対応できているか?
を見る必要があります。子どもは特に「難問が解ける=頭がいい」と考える傾向があります。
しかし見る順番は
正答率60%の問題 > 正答率40%の問題 > 正答率20%の問題
の3段階が良いと思っています。正答率60%の問題で数問落とすと、より難易度の高い問題で
カバーする(というより実質相殺される)ため、偏差値も順位も上がりません。
まずはここで落とさないようにしますが、多くの子どもが正答する問題で失点してしまうのは
数をこなしていないか、ミスを減らす仕組みが整っていないか、などが考えられます。
算数の計算ミスは別として、4教科すべてで数をこなしきれていないことが多いと思います。
知識の定着は記憶力と引き出し力にかかってくるので、インプットしてアウトプットする、
を不定期かつ何度も繰り返すことが重要と思います(暗記というより脳の円滑化)。
計算ミス(あるいは問題の読み違え)は、問題をわかった気になって解いていることが原因です。
一問だけに集中したら解けることが多いので、3分で確実に解けるなら3分を盛大にくれてやる、
3分以上かかっても解けない(面倒な計算が入る)などであれば、計算の工夫など、
テクニックが追いついていない可能性もあるので、まずは類題訓練から入るべきと思います。
正答率40%くらいまでは、解き直しをしながら知識やパターンの定着を図るのが良いと思います。
4年生以降はクラス昇降があるので、ついつい「テストのための勉強」になるのはわかりますが、
基礎力の定着なくして学力の発展はありえないので、基礎を落とさないようにしたいです。
親から見ると正答率40%はどうしても簡単に見えてしまいます。どうしてわからないのだろう?
と思ってしまうと思いますが、脳を鍛えてきた年季が子どもとは違います。
まだ子どもは習ったことを自在に引き出せる脳の仕組みになっていないと考えられるので、
類題を解きながら基礎の引き出しを増やしつつ、何度も引き出しを開ける訓練が必要です。
この時、
基礎を固めるために類題が欲しい
という問題が(親の方に)発生します。作るに難しく、買うにお金がかかるという・・・。
私はこの、4教科すべてにおいて
伸ばすべき単元を分析し、その単元に関係する類題(かつ難易度が今の学力に合う)を出す
という仕組みを、四谷大塚のAIシステムが提供してくれるのではないか?と期待しています。
SAPIXのスパイラル学習はこれから味わっていくのですが、スパイラル学習が機能するのは
基礎力を定着させるノウハウが詰まっているからなのではないか?と仮定しています。
だとすれば、四谷大塚のAIシステムがSAPIXのスパイラルノウハウに個別指導の良さを
追加したようなものになるのではないか?ということです。
今後の四谷大塚のAI導入と洗練化には、注目しておこうと思います。